日本一深い駿河湾の深海魚を求め、漁師さんたちはトロール船で漁をする
深海魚漁(トロール漁)は5月〜9月までは禁漁期間です。トロール漁(底引き網漁)ってどんな漁?
深海魚はその名の通り深海に生息する魚です。
その深海魚の漁は深く深くトロール網を沈めて行う底引き網漁(トロール漁)。
日本一深い駿河湾の海底の地形を熟知した漁師さんたちによってポイントを変えていき漁をおこなっていきます。
トロール漁(底引き網漁)の流れ
天候にもよるそうですが取材の日は午前3時より戸田港に集まりトロール漁に向かいました。
戸田港沖に停泊させているトロール船に小舟で向かいます。トロール船に乗り換えたら駿河湾の沖まで2〜3時間かけて向かいました。
船長さんが漁を行うポイントを決め深い駿河湾にトロール網を落としていきます。
大きなリールからどんどん伸びていくロープ。深く深く海の底まで・・・
海の底についたらゆっくりと船を移動させて底引きしていきます。
そして落とした網を巻き上げていきます。
いろいろな深海魚がいっぱい
網をゆっくり巻き上げていき、船上に!
網の中にはいろいろな種類の深海魚が入っていました。トロボッチ(メヒカリ)・アカザエビ・タカアシガニなどなど
なかには歓迎されないお客さんも!口いっぱいにトロボッチを咥えたサメや大きな石なども。
そして、空からはおこぼれをもらおうとカモメたちが集まってきます。
水揚げされた深海魚
この日はトロボッチ(別名:アオメエソ・メヒカリなど)が本当にたくさん揚がりました。
高級食材のアカザエビ(テナガエビ)やユメカサゴ、トロだこ、ミドリフサアンコウ・・・などなど
一番好きな(美味しい)深海魚を漁師さんに訪ねたところ「ヒウチダイ(アブラゴソ)」を教えてくれました。
煮付けにしてとびきり美味しくて、煮汁にお湯を入れて作る「骨湯」が格別に美味しいそうです。
チャンスがあったらチャレンジしてみよう。
トロボッチは目が光る
海からあがってすぐのトロボッチはみんな目が・・・
戸田でトロボッチと呼ばれるアオメエソは別名メヒカリとも呼ばれています。
今までなぜメヒカリと呼ばれるのかはわかりませんでした。きっと海の中だとキラキラしてるんだろうなぁ〜くらいに思っていました。
今回の取材でメヒカリと呼ばれる意味がわかりました!みんなエメラルドのように目が光ってるんです!目からウロコです!
戸田港へ戻り出荷
駿河湾沖から戸田に向かってポイントを変えながらトロール漁を行って行きます。
天候にもよりますが通常5回位はトロール網を仕掛けるそうです。
この日はトロール船で漁を繰り返し午後4時くらいに戸田港に戻りました。
戻る途中に海の向こうで待っていてくれる富士山がなんだかとっても嬉しかった。
港に戻ると仕分けした魚をトラックに載せ替え出荷されていきます。
主に出荷されるのは沼津港だそうです。
珍しい深海魚や生物
名前の無い深海生物
今回はヤマトトックリウミグモを発見しましたが、漁師さん曰くそんなに珍しくは無いそうです。
ラブカやリュウグウノツカイもたまに出会えるそうです。
では、今までで一番珍しかった深海生物はなんですか?と質問したところ・・・
「まだ名前の無い深海生物かな」と!!!
誰も見たこともない深海生物がまだまだいるみたいですね!
珍しい深海生物などが揚がったときはなるべく生かしたままにして水族館などに持っていくそうです。
沼津市では深海魚のイベントが各地で開催されています
沼津市では年間を通じて「深海魚を知る・食す・体験する」イベントが開催されています。
深海魚フェスティバルや深海魚撮影会など深海生物に実際に触れるイベントなどもありますので沼津観光ポータルのイベント情報や戸田地区深海魚活用推進協議会のDEEP HEDAなどのウェブサイトでチェックしてください。
沼津市、異色のPR動画 絶賛公開中です!
この記事を書いた市民ライター
渡邉 純
イラストレーター・グラフィックデザイナー
いつの間にか深海魚のディープな魅力にハマっています。