戸田で一番大きなお祭り「戸田港まつり」。幕末に戸田であった出来事を忘れないためのお祭りでもあります
港に感謝し、日露友好を祝う「戸田港まつり」
40年近く続く「戸田港まつり」は、戸田地区で一番の大きなお祭りです。
今年は「ロシアにおける日本年」でもあり、くるら戸田では、日露友好シンポジウムやロシアと触れ合うイベントや、プチャーチンの食卓を再現したディナーを提供する催しがありました。
屋外では、プチャーチン供養祭としての宝泉寺までのパレードや、祭の安全無事を祈願する塩衣(えんぎ)式、音楽やよさこい等のステージが催され、祭りの最後には花火が盛大に打ち上げられ、フィナーレを飾りました。
ロシアと戸田との深い絆とは?日露友好シンポジウムを聴講しました
戸田港まつりの日の午前中に開催された日露友好シンポジウムを聴講しました。
戸田では、幕末期、船が津波で沈没したため母国に帰れなくなったロシア帝国海軍「ディアナ号」の乗組員500人を3ヶ月間受け入れた過去があります。ロシアに帰るための洋式帆船を戸田の船大工と一緒に作り、その技術が現在もある造船会社の基礎になっています。また、滞在期間中は、戸田のまちの方々と様々な交流があったようです。
パネルディスカッションでは、この歴史が日露でどれぐらい知られているか、またどのように広めて行くかについて議論がありました。
戸田ではこの港まつりを通して、160年前に起こった出来事を大切に語り継いでいます。詳しく知りたい方は、戸田造船郷土資料博物館の造船資料室でロシアとの交流の軌跡を詳しく見ることができますので、興味がある方はぜひ足をお運びください。
プチャーチンパレードに参加!
お昼過ぎに、中央桟橋から宝泉寺までのプチャーチンパレードに参加しました。
宝泉寺は、ディアナ号沈没後にプチャーチン一行が宿所として長期間滞在した場所。滞在中に亡くなった方の供養祭を行います。
一般の人も参加できますよ!
沼津商業高校吹奏楽部の皆さんがパレードで演奏した曲は、プチャーチンが日本滞在中に演奏した行進曲とのこと。戸田漁協(旧戸田村役場)前の「プチャーチンロード」では、沿道からの応援もたくさんあり、暑い中元気に宝泉寺まで辿り着きました。
宝泉寺の場所
静岡県沼津市戸田449
昭和56年10月に県の史跡に指定されています。
滞在中に亡くなったロシア人水兵のお墓は、宝泉寺を入って右側にあります。
深海魚カクテル「DEEP SURUGA」発表会!
プチャーチンの食卓の時間に、深海魚カクテル「DEEP SURUGA」の発表会。
沼津を象徴する深海魚をテーマに開発された「DEEP SURUGA」は、沼津の美しい海を表現したブルーキュラソーをベースに店舗オリジナルの配合をし、愛くるしい見た目の深海魚「メンダコ」をあしらったフルーツが添えてあります。
「DEEP SURUGA」は、日本バーテンダー協会沼津支部加盟店でいただくことができます。BARごとにオリジナルの味が楽しめますので、ぜひいろいろな店舗でカクテルをお楽しみ下さい。
どこのBARに行こうか迷ったら「NUMAZU BAR TAXI」があります。タクシードライバーが、沼津にある魅力あるバーや各店自慢のカクテルなどを案内しますので、相談してみるといいかもしれませんよ!
プチャーチンの食卓を再現!
深海魚カクテル「DEEP SURUGA」発表会の後は、「プチャーチンの食卓」。プチャーチン一行が戸田滞在中に食事したと思われるメニューを、主に戸田の食材を使い、戸田のフランス料理シェフ「ふかっちぇ」の深瀬諒氏が作成しました。
クレープに戸田塩を混ぜたクリームを和えたり、深海魚を使ったスープ、メインにはそばの実を使ったビーフストロガノフ。
プチャーチンの日本滞在中の気持ちに思いを寄せながら、美味しくいただきました。
戸田の文化が詰まったステージ!
美しい戸田の海を背景に、夕方から始まったステージは、戸田にゆかりがあるステージばかり。
プチャーチン行進を行った沼津商業高校吹奏楽部は、行進曲などを演奏。
戸田のよさこいチーム「戸田美凛舞(ビリーブ)」は、プチャーチン提督一行が乗っていた船にちなんで「ディアナ」というオリジナル曲を演舞。感慨深いものがありました。
毎年新年の訪れを告げる太鼓を叩く戸田黒潮太鼓保存会は、子どもの演奏もとても凛々しくかつ可愛かったです。
戸田在住の2人のミュージシャン、タカアシガニを民族楽器ディドゥリドゥにした「タカアシガニリドゥ」北川和樹さんと、現代の瞽女(ごぜ)ピアニスト和香さんとの演奏は、戸田の自然にマッチしていました。
花火は漁船から観戦!
港まつりの日は、夕方過ぎに漁船で遊覧することができます。花火も漁船に乗って見ることができるというので、漁船に乗ることにしました。
漁船の料金は、花火の時間帯は大人1人500円、それ以外の時間帯は無料で乗船できます。夕方より乗船を受け付けていますので、港まつり受付でお申し込み下さい。
花火打ち上げ時間の30分前に出航。すっかり暗くなった湾内を巡りながら、花火の時間を待ちます。
ドーン!
海の上から花火が打ち上がりました。
海から上がり、落ちていく花火。夢のような時間はあっという間に過ぎていきました。
この記事を書いた市民ライター
福原美奈
東京都出身、沼津に来て10年。
株式会社イワサキ経営で自社のブランディングやお客様先の販促支援・採用プロデュースを行うのが現在の仕事。
父親の実家も温泉地。戸田に来ると、長期連休中に父親の実家に帰省したときのような懐かしさを感じます。
将来は戸田に住もうかと、半分本気で考えています。